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プロモーションがアトラクション

*劇団鹿殺しRJP 水天宮ピット (2010.7.23)


簡単に言うと、鹿殺し観てない人ははやく観ておこうよ、というエントリーです。

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劇団としての通常演劇公演とは別に、路上での音楽&ダンス的パフォーマンスを積み重ね、ついにはその路上パフォーマンス(RJP)自体が呼び物となって野外フェス等にもしばしば登場する、鹿殺しの別動部隊。普段劇場に足を運ばない人たちのことも巻き込んでいこうとするその身体表現は、凡百のフライヤーなどよりもインパクトは多大で宣伝活動としての有効性も高い(本公演についてのエントリーはこれとかこれ)。


劇場体験はコンビニエントに切り売りして見せることができなくて、その意味で演者の魅力を外部に届けることは、演劇の場合とても難しい。鹿殺しは積極的に劇場から野外に出ていって、舞台の魅力のごく一部(それは彼らの魅力のとても肝要な部分なのですが)を不特定多数に強引に見せつけてゆく。プロモーションとしてもしたたかなその活動は、キャリアを重ねた今、劇団鹿殺しに欠かせない一大要素になっています。


全体にストーリーを紡ぐわけではないRJPは、基本ノリと勢いで終始もっていきます。彼らが本公演で見せる身体のキレを、エッセンスだけ取り出したようなスタイル。中央で歌い踊る菜月チョビはいつものように凛々しい。緩みない動きを見せる男性団員たちが周囲に配されても、小さな体躯の彼女の力強さは遜色ないし、時に俯瞰して観客を自分たちの側へのせてゆくMCも場数の量を感じさせる見事なもの。
勢いで押すタイプの上演でありながら、下品になり過ぎない慎ましさも併せ持っていて、胃にもたれない量感がちょうどいい。サウンドは豪勢とは見えない機材から発せられるため、音質に限界があるのですが、そのことを気にさせない身体の鮮やかさ、押し引きの加減をわきまえた「ノリと勢い」感で、数十分間を駆け抜けます。

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イベント全体としては、東京芸術劇場が運営する稽古場スペース「水天宮ピット」の完成記念を記念した催しです。劇場・劇団経由の情報で集まった人のみならず、家族連れを含めた近隣住民と思しき方々の姿も多く、脈絡を知らずに初めて観た方も少なくないはず。二回に分けて行われたパフォーマンスのうち、初回はそうした見物層とのコミュニケーションが十全ではない場面も見受けられました。二回目公演でそこを踏まえて立て直し、最終的に周囲の観客を自分たちのものにしていく強さ。手ごたえを探りながらMCの傾向を変え、よどみなく流れをつくってゆく姿に、自らの路上パフォーマンス経験に対する信頼がうかがえて頼もしい。


以前も書きましたが、劇場に足を運ぶまではその劇団への評価なんてあるわけなくて、それ以前に、知り合いでもない人間を劇場に呼ぶことこそが非常に高いハードルであるわけです。宣伝とは、そういう人たちをまず「劇場に来させる」ためのもの。細かいこだわりなんて後から知ってもらえばよくて、まずは一見さんをとり込んでゆく何かを見せる。それはフライヤーも野外活動でも同じこと。鹿殺しの路上パフォーマンスはプロモーションとして最高に優秀。秀逸な広告は、それ自体でひとつのアトラクションなのです。

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※上演中の写真をブログにあげてOKという許可を、劇団員のオレノグラフィティさんからいただきました。もし問題のある画像等ございましたらお知らせいただけると幸いです。
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